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SEOは、記事を書いて公開したら終わりではない。順位や流入を数字で見て、直し続ける運用が要る。竹内渓太『強いSEO “SEOおたく”が1000のサイトを検証してわかった成果を上げるルール』は、その運用面を具体的に扱う一冊だ。この記事では、ノートに残した範囲から、SEOの数値モニタリング、リンクジュース、フレッシュリライト、コンテンツ素材の集め方を整理する。
結論:SEOを「施策の羅列」ではなく「数字で管理する運用」として読む本
ノートの引用を見る限り、本書は「何を書くか」だけでなく、「どの数字を、どの頻度で、どのツールで見るか」まで具体的に書く。見るべき指標、リライトの施策、素材の集め方が、それぞれ一覧の形で整理されている、と読んだ。
- 向いている人:SEOの施策は知っているが、運用の型(見る数字・頻度・直し方)に落とせていない人/オウンドメディアやサイトの数字管理を任されている人
- 向かない人:検索の仕組みの理論解説を期待する人(ノートの引用は運用面が中心のため)
強いSEO “SEOおたく”が1000のサイトを検証してわかった成果を上げるルール/竹内渓太
- SEOの成果を、シミュレーションと数値モニタリングで管理する
- リンクジュースの考え方で、内部リンクを設計する
- 公開後はリライト施策の一覧に沿って、既存記事を直し続ける
SEO施策のシミュレーション:何を見積もるのか
施策に入る前の見積もりとして、ノートには次の4項目が残っている。
- キーワードごとの想定順位の概算
- SEO経由の想定流入数の概算
- SEO経由の想定CV数の概算
- キーワードごとの対策優先順位の策定
順位から流入、流入からCVへと、数字を順に積み上げて、最後に優先順位を決める流れになっている。書く前に「どのキーワードに手を付けるか」を数字で決める、という読み方ができる。
SEOで見るべき指標:数値モニタリングの項目と頻度
本書の特徴がはっきり出るのが、数値モニタリングの表だ。ノートに残した表から、一部を抜粋する。
| 指標 | 対象 | 利用ツール | 頻度 |
|---|---|---|---|
| CV・セッション | 自社 | GA4 | 週次 |
| 主要KWの平均順位 | 自社 | SEMRush | 日次 |
| 主要KWの平均順位 | 競合 | SEMRush | 週次 |
| サイト全体のインデックス数 | 自社 | Search Console | 週次 |
| ページ表示速度 | 自社 | PageSpeed Insight | 日次 |
| 被リンク数 | 自社 / 競合 | SEMRush | 月次 |
| オーガニックトラフィック数 | 自社 / 競合 | SEMRush | 月次 |
※表はノートに残した本書の表からの抜粋(ほかに参照ドメイン数、ドメインパワー、クロール数、主要KWのPLP一致率などの行がある)。ツール名や頻度は本書の記載のまま。
見方としては、順位のように動きが速いものは日次、被リンクのように積み上がるものは月次、というふうに、指標の性質で頻度が分かれている。順位・流入・CVは、前の章のシミュレーションの項目と対応している点も押さえておきたい。
リンクジュースとは:内部リンクを張る理由
リンクジュースは、SEOの内部リンクを語るときによく出てくる言葉だ。本書のノートでは、次のように定義されている。
リンク先ページに渡されるSEOパワーのこと
強いSEO
ノートには、シャンパンタワーのように、各ページが持つSEOパワーがリンクを通じて上から下へ流れることからそう呼ばれる、とも残っている。この見方に立つと、内部リンクは「関連記事を並べる飾り」ではなく、ページ同士でパワーを流す経路の設計になる。後述のリライト施策にも「内部リンクを繋げて孤立しないようにする」が入っている。
SEO記事の素材の集め方:社内にある資料を使う
コンテンツ制作の素材について、本書の主張は次の一文に集約される。
社内情報はコンテンツ制作において素材の宝庫である
強いSEO
ノートには、素材になるものとして、サービス説明資料、営業の提案資料、ホワイトペーパー、事例記事、商談議事録、お客様アンケートが並んでいる。検索結果に出ている記事を見て書くのではなく、手元にある一次情報から書く、という方向だと読んだ。
SEOのリライトのやり方:フレッシュリライトの施策一覧
公開後の直し方として、ノートには「フレッシュリライト」の施策一覧が残っている。以下は、ノートの施策名を、筆者が「主に触る場所」で並べ直したものだ。
| 施策 | 詳細(本書) | 主に触る場所(筆者の整理) |
|---|---|---|
| TDHの調整 | サチコ等で獲得できているKWを確認して適宜修正する | タイトル・ディスクリプション・見出し |
| 内部リンクの調整 | 内部リンクを繋げて孤立しないようにする | リンク |
| CTAの調整 | CTAを追加する | 導線 |
| 内容の簡易追加 | サチコで獲得ができているクエリの中で対応できていない情報を追加する | 本文 |
| リード文の最適化 | 直帰率が高い記事はリード文を見直す | 導入部 |
| 検索意図に合わせた章の入れ替え | 検索意図が強い情報を記事上部に持っていく | 構成 |
| オリジナル画像の差し込み | 画像SEOも狙うことができる | 画像 |
| よくある質問の追加 | 検索意図を満たし行動喚起に繋げることができる | FAQ |
| マークアップ調整 | 構造化データを用いることで読みやすくする | 構造化データ |
※「詳細(本書)」の列はノートの表に基づく。「主に触る場所」の列は筆者が整理したもので、本書にある列ではない。ノートには「えいやH2」という施策名もあるが、詳細が空欄のため載せていない。
施策の根拠が、Search Console で実際に獲得できているクエリや、直帰率といった数字になっている点が目を引く。前の章の数値モニタリングと、ここがつながる。
他の本との比較:SEOの本は何を扱うか
| 本 | 主に見ている軸 |
|---|---|
| 本書 | SEOの運用(数字の管理・リライト・素材) |
| 『グロースハックの教本』 | 施策を回して成長させる考え方 |
| 『マーケティングの技法』 | マーケティング全体の型 |
※表の「主に見ている軸」は、各書の主題について筆者がざっくり対比したもの。細部は各書評を参照。
数字を見て施策を回すという点では、『グロースハックの教本』と並べて読める。SEOを、マーケティング全体のどこに置くかを考えるなら、『マーケティングの技法』が手がかりになる。
読んで考えたこと(筆者)
本書が言うのは、SEOの成果は「良い記事を書いたかどうか」より、「数字を決めた頻度で見て、決めた施策で直しているかどうか」で決まる、ということだと読んだ。リンクジュースも、リライトの施策一覧も、手を動かす順番を決めておくための道具だと受け取った。
あわせて読みたい
- 【書評】グロースハックの教本(金山裕樹・梶谷健人)——数字を見て施策を回す
- 【書評】マーケティングの技法(音部大輔)——マーケティング全体の型
よくある質問(FAQ)
Q. 『強いSEO』の要約は?
SEOの成果を、シミュレーションと数値モニタリングで管理する運用の本です。ノートに残した範囲では、見るべき指標とツール・頻度の一覧、リンクジュース、社内資料を素材にするコンテンツ制作、フレッシュリライトの施策一覧が主な論点です。
Q. リンクジュースとは何ですか?
本書では、リンク先ページに渡されるSEOパワーのこととされています。各ページのパワーがリンクを通じて上から下へ流れることから、シャンパンタワーにたとえて呼ばれます。
Q. SEOで見るべき指標は何ですか?
本書の表では、CV・セッション(GA4)、主要KWの平均順位(SEMRush)、インデックス数やクロール数(Search Console)、ページ表示速度、被リンク数、オーガニックトラフィック数などが挙げられています。日次・週次・月次と、指標ごとに見る頻度も分けられています。
Q. SEOのリライトでは何を直しますか?
本書のフレッシュリライトの施策には、TDHの調整、内部リンクの調整、CTAの調整、内容の簡易追加、リード文の最適化、検索意図に合わせた章の入れ替え、オリジナル画像の差し込み、よくある質問の追加、マークアップ調整があります。
Q. SEOの成果予測(シミュレーション)では何を見積もりますか?
本書では、キーワードごとの想定順位、SEO経由の想定流入数、想定CV数を概算し、キーワードごとの対策優先順位を決めるとされています。
まとめ
この本が置いているのは、SEOを「センス」ではなく「運用」として扱う前提だ。何を見積もり、どの数字を何日おきに見て、何を直すか。その型を持っておくと、次に手を付ける場所が決まる。
強いSEO “SEOおたく”が1000のサイトを検証してわかった成果を上げるルール/竹内渓太
関連記事:グロースハックの教本/マーケティングの技法

