竜馬がゆく(司馬遼太郎)
『竜馬がゆく』は、司馬遼太郎が幕末の志士・坂本龍馬の生涯を描いた歴史小説です。物語は、坂本龍馬が剣術修行のために土佐から江戸へ旅立つ場面から始まり、黒船来航、土佐勤王党への参加、脱藩、勝海舟との出会い、亀山社中の設立、薩長同盟の成立、大政奉還、そして龍馬の暗殺までを描いています。
龍馬が生きた時代は、ペリーの黒船来航(1853年)により日本が開国を迫られ、幕府の権威が揺らぎ始めた幕末期です。この時期、多くの志士たちが尊王攘夷や倒幕を掲げ、国内は混乱していました。龍馬は、土佐藩を脱藩し、勝海舟のもとで海軍の必要性を学び、亀山社中(後の海援隊)を設立し、薩摩藩と長州藩の同盟(薩長同盟)を仲介するなど、倒幕運動に大きく貢献しました。その生き様は、現代を生きる私たちにも多くの示唆を与えてくれます。
引用と学び
引用1:愛嬌が人を動かし、世を動かす
人に慕い寄られる愛嬌が大切。悪事を働いても愛嬌に受け取られ人気のたつ男が英雄というものだ
この言葉は、坂本龍馬の人間性の魅力を示しています。龍馬は、その愛嬌によって多くの人々に慕われ、協力を得ることができました。この時代、多くの志士たちが厳格で近寄りがたい人物として描かれますが、龍馬は愛嬌があり、人に慕われる性格でした。
幕末の時代は、様々な藩や志士たちが対立していましたが、龍馬はその愛嬌によって、対立する人々の間を取り持ち、薩長同盟のような重要な同盟を実現することができました。1866年の薩長同盟は、倒幕運動の大きな転機となりましたが、龍馬の愛嬌と人柄がなければ、この同盟は実現しなかったかもしれません。龍馬は、薩摩藩の西郷隆盛や長州藩の桂小五郎など、対立する人々の間を取り持ち、同盟を実現させました。この時代背景を理解することで、なぜ龍馬の愛嬌がそこまで重要だったのかがわかります。
現代においても、愛嬌は重要な資質です。愛嬌がある人は、周囲の人々に慕われ、協力を得やすくなります。この愛嬌が、人を動かし、最終的には世を動かす力となるのです。
引用2:知ってから実行するのが男子の道
学問も大事だが、知ってから実行するのが男子の道である
この言葉は、龍馬の行動哲学を示しています。学問や知識は重要ですが、それを実行に移すことが男子の道だというのです。龍馬は、勝海舟から海軍の重要性を学び、それを実行に移して亀山社中を設立しました。
龍馬は、1864年に勝海舟の弟子となり、海軍の重要性を学びました。その後、1865年に亀山社中(後の海援隊)を設立し、貿易や海運事業を始めました。これは、単なる学問ではなく、実際の行動でした。この時代、多くの志士たちが議論を重ねていましたが、龍馬は知識を実行に移すことを重視しました。この時代背景を理解することで、なぜ龍馬が知識を実行に移すことを重視したのかがわかります。
現代においても、知識だけでは不十分です。知識を実行に移すことで、初めて価値が生まれます。学問も大事ですが、それを実行に移すことが重要です。この行動力が、龍馬を偉大な人物にしたのです。
引用3:自分が正しいと思えば断乎として往く
天下がこれを非とするも自分が正しいと思えば断乎として往くのが男である
この言葉は、龍馬の信念と勇気を示しています。天下の人が非難しても、自分が正しいと思えば、断固として進むことが男の道だというのです。龍馬は、土佐藩を脱藩し、幕府に逆らう道を選びました。これは、当時の社会では大きな非難を受ける行為でした。
1862年、龍馬は土佐藩を脱藩しました。この時代、脱藩は重罪とされており、多くの人々から非難を受けました。しかし、龍馬は自分が正しいと信じる道を進みました。この時代、多くの志士たちが脱藩し、倒幕運動に参加しましたが、龍馬はその信念を貫き通しました。この信念が、龍馬を倒幕運動の重要な人物にしました。この時代背景を理解することで、なぜ龍馬が脱藩を決意したのかがわかります。
現代においても、自分の信念を貫くことは容易ではありません。周囲からの非難に屈せず、自分が正しいと信じる道を進む勇気が必要です。この勇気が、大きな成果を生み出すのです。
引用4:評判は金よりも大事なもの
金よりも大事なものに評判というものがある
この言葉は、龍馬の価値観を示しています。金銭よりも評判の方が重要だというのです。龍馬は、評判を大切にし、多くの人々から信頼されました。この信頼が、薩長同盟や大政奉還などの大きな成果につながりました。
幕末の時代、多くの志士たちが金銭や権力を求めましたが、龍馬は評判を大切にしました。亀山社中での貿易事業でも、龍馬は評判を大切にし、多くの人々から信頼されました。この時代、多くの貿易業者が金銭を優先しましたが、龍馬は評判を優先しました。この信頼が、1867年の大政奉還のような大きな成果につながりました。この時代背景を理解することで、なぜ龍馬が評判を大切にしたのかがわかります。
現代においても、評判は重要な資産です。金銭は一時的なものですが、評判は長期的な価値を持ちます。評判を大切にすることで、多くの人々から信頼され、協力を得ることができます。この評判が、成功への鍵となるのです。
引用5:時勢は利によって動く
時勢は利によって動くものだ、議論によっては動かぬ
この言葉は、龍馬の現実主義的な思考を示しています。時勢は議論によって動くのではなく、利害関係によって動くというのです。龍馬は、薩長同盟を実現する際に、両藩の利害関係を考慮し、互いの利益になるように調整しました。
1866年の薩長同盟は、薩摩藩と長州藩の利害関係を考慮して実現されました。両藩は、幕府に対して対立していましたが、互いの利益のために同盟を結びました。この時代、多くの志士たちが尊王攘夷や倒幕を議論していましたが、龍馬は利害関係を考慮することで、この同盟を実現しました。この時代背景を理解することで、なぜ龍馬が利害関係を重視したのかがわかります。
現代においても、時勢を動かすには、利害関係を考慮する必要があります。議論だけでは時勢は動きません。利害関係を考慮し、互いの利益になるように調整することで、大きな成果を生み出すことができるのです。この現実主義的な思考が、龍馬の成功の鍵でした。
引用6:事をなすことこそが生きること
「世に生を得るには事をなすにあり」
この言葉は、龍馬の人生観を示しています。世に生を得るには、事をなすことだというのです。龍馬は、単なる議論や観察ではなく、実際に事をなすことを重視しました。この行動力が、龍馬を偉大な人物にしました。
龍馬は、薩長同盟の仲介、大政奉還の実現など、多くの事をなしました。1867年、龍馬は後藤象二郎と共に大政奉還を実現させました。これは、日本史において重要な出来事でした。この時代、多くの志士たちが議論や観察に留まっていましたが、龍馬は実際に事をなすことで、歴史を動かしました。この時代背景を理解することで、なぜ龍馬が事をなすことを重視したのかがわかります。
現代においても、事をなすことが重要です。議論や観察だけでは、何も変わりません。実際に事をなすことで、世に生を得ることができます。この行動力が、人生を意味のあるものにするのです。龍馬の人生は、この信念を体現したものだったのです。
まとめ
司馬遼太郎の『竜馬がゆく』は、幕末の志士・坂本龍馬の生涯を通じて、幕末という激動の時代を生き抜いた人々の姿を描いた歴史小説です。本書が示すのは、愛嬌の重要性、知識を実行に移すことの価値、信念を貫く勇気、評判の重要性、利害関係を考慮する現実主義的な思考、そして事をなすことの重要性です。
特に、「時勢は利によって動くものだ、議論によっては動かぬ」という現実主義的な思考や、「世に生を得るには事をなすにあり」という行動重視の人生観は、現代を生きる私たちにも多くの示唆を与えてくれます。幕末という歴史的背景の中で、龍馬が追求した生き様は、現代においても参考になる価値観です。
歴史小説としての魅力はもちろん、人生の指針としても読める、すべての人に読んでほしい一冊です。是非読んでください!!
また、司馬遼太郎の「坂の上の雲」「燃えよ剣」についても以下の記事で紹介しています。ぜひご覧ください。

